睡眠時間を減らすとどうなる?
睡眠時間を減らすと、どうなるのでしょうか。睡眠時間は通常、その人が生活する上で最適化されています。というより、規則正しい生活パターンの中の睡眠に適応しているというべきでしょうか。それを乱されると、当然ですが支障を生じます。
いつもとっている睡眠時間が減った場合、長期的にみると人の身体はその睡眠時間に適応しますが、短期的には混乱を生じます。まず、足りない分の睡眠を生活の中で確保しようとして、勝手に寝ようとします。
これは「居眠り」とよばれる現象で、自由分に睡眠をとっている場合はあまり発生しません。まあ、疲れた場合などには出ることもありますが、基本的には夜更かししたりよく寝付けなかったりした場合の身体の反応とみていいでしょう。
居眠りが出るくらい睡眠時間が不足している場合は、他にも頭がぼんやりしたり、人の話がよく理解できなかったり、勉強や仕事がはかどらなかったりします。要するに精神的な活動レベルが低下してしまうわけで、あまりいい状態とはいえません。
これを解消するためにはたっぷり寝ればいいわけですが、残念なことに人の身体は事前にたっぷり寝ておいて後でその貯金を使う、ということは出来ないことになっています。よって、睡眠時間が減った後で、減った分を使いしなければなりません。
以上は一時的な現象ですが、本来必要な睡眠時間を減らすと、いろいろとまずいことが発生するようです。例えば睡眠時間が7時間以上で8時間未満の場合が、もっとも平均余命が長くなります。睡眠を減らすことで寿命を縮めているわけです。
鬱病の罹患者は睡眠時間が7時間台の人がもっとも少なく、睡眠時間が短くなるほど食欲が亢進し、肥満になるリスクが高くなります。睡眠時には心身の休息、記憶の再構成など高次脳機能を推進しているとされています。
特に、睡眠は子供の成長や傷の治癒、肌の新陳代謝が促進され、免疫力の向上やストレスの除去なども発生していると考えられているため、睡眠時間を減らすのは極力避けた方がいいでしょう。
